日本再生歯科医学会誌(略称:再生歯誌) 4巻1号 pp. 15-28
2006.12.30
Journal of the Japanese Association of Regenerative Dentistry
(J Jpn Assoc Regenerative Dent)
ISSN 1348-9615


表面性状の異なる歯科インプラント周囲の歯槽骨に及ぼすPRP(多血小板血漿)の影響

大阪歯科大学 1大学院歯学研究科口腔外科学専攻,2口腔外科学第二講座

田治米 康宏1,覚道 健治2


 本研究の目的は,表面性状の差異と歯科インプラント周囲の歯槽骨に及ぼすPRPの影響を明らかにすることである.6頭のビーグル犬に抜歯窩を想定した実験的骨欠損を作製し,欠損中央部に表面性状の異なる歯科インプラント(HAコーティングおよびブラスト-酸のインプラント)を埋入した.それぞれの歯科インプラント体周囲の骨欠損部にPRPと自家骨を充填した.カルセインおよびアリザリンレッドで骨新生状態をラベリングし,共焦点レーザー走査顕微鏡(CLSM)ならびにマイクロフォーカスX線CTで経時的に観察した.その結果,術後2週から一部ではインプラント体周囲に新生骨がみられ,術後4週ではインプラント体周囲にも仮骨が認められた.また,術後8週におよぶと,インプラント体周囲に新生骨の増加と骨改造が認められた.これらのことから,骨欠損部の自家骨移植にPRPを併用すると早期における骨新生が可能であることが推察された.


キーワード:PRP(多血小板血漿),HAコーティングインプラント,共焦点レーザー走査顕微鏡(CLSM),マイクロフォーカスX線CT

(原著論文)


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