本研究の目的は,表面性状の差異と歯科インプラント周囲の歯槽骨に及ぼすPRPの影響を明らかにすることである.6頭のビーグル犬に抜歯窩を想定した実験的骨欠損を作製し,欠損中央部に表面性状の異なる歯科インプラント(HAコーティングおよびブラスト-酸のインプラント)を埋入した.それぞれの歯科インプラント体周囲の骨欠損部にPRPと自家骨を充填した.カルセインおよびアリザリンレッドで骨新生状態をラベリングし,共焦点レーザー走査顕微鏡(CLSM)ならびにマイクロフォーカスX線CTで経時的に観察した.その結果,術後2週から一部ではインプラント体周囲に新生骨がみられ,術後4週ではインプラント体周囲にも仮骨が認められた.また,術後8週におよぶと,インプラント体周囲に新生骨の増加と骨改造が認められた.これらのことから,骨欠損部の自家骨移植にPRPを併用すると早期における骨新生が可能であることが推察された.
キーワード:PRP(多血小板血漿),HAコーティングインプラント,共焦点レーザー走査顕微鏡(CLSM),マイクロフォーカスX線CT
(原著論文)
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