日本再生歯科医学会誌(略称:再生歯誌) 2巻1号 pp.1-8
2004.9.30
Journal of the Japanese Association of Regenerative Dentistry
(J Jpn Assoc Regenerative Dent)
ISSN 1348-9615


バイオマテリアルの安全性について 組織工学用材料を中心として

国立医薬品食品衛生研究所 療品部
土屋 利江


 医療用具(平成17年度4月から医療機器に名称変更)に使用されるバイオマテリアルには,金属,セラミックス,高分子,天然材料などがある.それぞれ医療用具として使用される目的,部位により,それらの単体あるいは複合材料が使用されている.近年は,ナノテクノロジー技術を応用した医療材料・医療機器開発が活発に行われており,米国の最近のニュースでは,がん治療分野で,大型の予算がついたとの報道がなされている.  医療材料・医療機器は,従来の承認された既存材料の組み合わせのみでは,限界があり,今後は,生物の仕組みを制御する機能を組み合わせた医療機器開発が盛んになるものと考えられる.薬と医療機器の組合されたステント,さらに,最近では,細胞・組織と医療機器がくみあわされたバイオ皮膚・バイオ軟骨・バイオ骨などがあげられる.細胞組織医療機器と日本語で表記されるものは,通常tissue engineered medical products(TEPS)として海外では,標準化すべき課題として取り上げられ,米国規格協会(ASTM)では,すでにいくつかの関連文書ができている.一方,tissue engineeringといわれる技術については,近年,複数の学会が立ち上げられ,社会的にも大きな関心事となった.しかし,事業としては,海外を含めて成功しているようにはおもえない.また,いくつかの問題点と課題も浮き彫りにされてきた.<以下,本誌をご覧下さい.>



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