2,000 mg/Lのカフェイン拘縮を起こさせる濃度のカフェインをアフリカツメガエルの孵化直後の幼生に5〜60分曝露すると,曝露時間に対応して体長が短縮し,体軸は背方に屈曲した.60分の曝露では対照群の65.0%に体長が短縮した.曝露終了時の幼生の走査型電子顕微鏡による観察では,尾方の体節の節状構造に異常が観察され,その周囲の皮膚およびヒレが波状のヒダを形成していた.曝露後の幼生を水に戻し,3日間発生させると,10分以下の曝露では外表観察においても体長計測においても異常は認められなかったが,30分以上の曝露では体長が短縮していた.これらの結果より,2,000 mg/Lの濃度のカフェインは発生中の体節の筋芽細胞にカフェイン拘縮を引き起こすが,10分以下の短時間の曝露であれば回復可能であるが,曝露時間が長くなるとその影響が体長の短縮という異常として残ると推察された.
キーワード:発生毒性,アフリカツメガエル,体節,カフェイン
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